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先祖が培ってきた技術を使う―乾燥技術

現代の乾燥技術について

 日本の科学技術の発展には目覚しいものがあります。ここでは乾燥に関する技術をご紹介します。皆さんは乾燥技術といわれて何を思い浮かべますか?すぐに思い浮かぶのは熱風乾燥やフリーズドライといったものではないでしょうか。
 機械による乾燥は、天日による乾燥に比べ天候に左右されず、大量生産が可能となります。その反面、一般的に天日干しより味が劣るとされています。また、熱風乾燥に関しては、乾燥の過程で栄養素が壊され失われていくというデータもあります。これらの欠点をなくすため、現在は吸着乾燥やマイクロ波加熱乾燥、遠赤外線加熱乾燥など多岐に渡るさまざまな技術が生みだされています。

天日干しについて

 ほんぽでは機械乾燥による味の劣化を防ぐため、あえて伝統的な「天日干し」に着目し、一部商品ですがこの乾燥法を実行しています。まず一つ目は「ふく汐」です。ほんぽの代表的商品のひとつ「ふく汐」のふぐの粉は天日干しから製造しています。
 ふぐの身を粉にする前に、乾燥工程に入ります。作り方は、まず仕入れたふぐの身を秘伝の調味料に漬け、一晩冷蔵庫で寝かせます。この調味料は、みりんや砂糖を主体としていて、化学調味料は一切使用しておりません。みりんは愛知の甘強酒造様の「昔仕込本味醂」という国産の原料にこだわり、伝統的な製法で作られたものを使用しています。
 そしてここからがメイン「乾燥」です。といっても、特別なことはせず、一晩寝かせたふぐの身を、「万能干しかご」(天日干し用のネット)に並べ乾燥させるだけです。ふぐの身は1日間天日にさらし乾燥させます。その間にすることは、よく乾燥させるためにふぐの身をひっくり返すくらいです。機械乾燥も品質のばらつきを防ぐため行いますが、重点は天日干しにこだわっています。というのも、天日干しにすることでより、うまみが凝縮し乾燥熟成されるからです。
 わかめにおいても、また同様のことが言えます。現在流通しているわかめの9割以上は湯通し塩蔵わかめになります。湯通し塩蔵わかめとは、海で採ったわかめを熱湯に通した後、塩蔵処理したもののことです。湯通し塩蔵わかめは保存性に優れ、調理が簡便な反面、湯通しするというその製造工程でどうしても栄養素が流出していきます。
 ほんぽでは素材のこだわりページでもご記載していますが、従来の湯通し塩蔵わかめではなく伝統的な素干しわかめを一部商品化しております。素干しわかめは保存性や調理の簡便性は湯通し塩蔵に比べやや劣りますが、採ったわかめを水洗いして天日で干すだけなので、栄養素は失われません。また、磯の風味も断然残っています。

ほんぽのこだわり

商品画像
 現在、乾燥技術はますます発展していっており毎年、数多くの新技術の特許申請がなされています。天日干しは天候に左右されやすく、機械乾燥に比べ手間もかかるので大量生産には向いていません。しかし、一般的に機械乾燥のものよりも、天日干しをしたものの方が美味しいといわれるのは、太陽光の中にある紫外線の作用によるといいます。実際、干し椎茸に紫外線を与えるとビタミンDが増えるという研究結果もあります。また、米になる前の稲でも機械乾燥ではなく、天日で干した方がアミノ酸や糖の含有量が高くなり、おいしくなるという報告もあるようです。
 ほんぽが一部シリーズにおいて天日干しにこだわるのは、機械で乾燥させるよりも天日で干した方が、うまみが凝縮しより栄養が摂取できると考えているからです。機械と比べると手間も時間もかかりますが、それでもやはり、皆様においしくて栄養のあるものをお届けしたい。そう考えて、ほんぽは天日干しを実行しています。今後の展開としてはふぐ粉や素干しわかめだけでなく、椎茸や大根などの乾燥農産物のラインナップも充実させていく所存です。