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汐昆布の製法

塩昆布歴史

 一般的に「塩昆布」とは、昆布を濃口醤油を主体とした調味液で煮詰めていった物のことを指します。その歴史は古く、平安時代にはすでに今の「塩昆布」に通ずるレシピが存在していたといいます。「塩昆布」といわれて皆さんが想像するものは、醤油で煮詰められた昆布に塩がまぶしてあるものではないでしょうか。それは厳密に言うと「塩昆布」ではありません。それは「汐吹昆布」になります。「汐吹昆布」は戦時中の食料が配給制だった際、昆布の配給を得るために、佃煮と塩昆布の違いを明確にしようと塩昆布を乾燥させること考案したことが始まりだと言います。

ふく汐誕生

夕日と関門海峡
 「先祖が培った技術を使う」ページの「乾燥技術」でも触れましたが、ここでは、ほんぽの代表的な汐吹昆布「ふく汐」についてご紹介します。「ふく汐昆布」は角切りにした昆布を汐吹昆布にし、その上に下関の名産「ふぐ」の粗粉をふりかけた、ほんぽ自慢の大変贅沢な高級茶漬けです。そもそも「ふく汐」の始まりはほんぽ3代目社長 本保繁一まで遡ります。
 3代目の時代から、ふぐは全国有数の高級魚で下関の名産品と認知されていました。「ふく汐」はふぐとほんぽの得意分野である昆布を掛け合わせた商品を開発しようとしたことから始まりました。ふぐも昆布もどちらも淡白で上品な味わいが特徴で、私たち人の身体に優しい味がします。また、ふぐも昆布も海の王者と呼ぶにふさわしく、その双方を掛け合わせた「ふく汐」に「塩」ではなく「汐」の漢字を当てはめているのは、海のイメージと海のロマンを詰めこんでいるからでもあります。
 また「塩」という漢字はこの頃すでに、高血圧や脳卒中などといった生活習慣病の原因として負のイメージがありました。そのイメージを避けるためにも「汐」という漢字を用いました。
 「しお」にはもうひとつ「潮」という漢字もあります。どちらも海水の満ち引き、干満を表す漢字なのですが、漢字のとおり「潮」は朝方、「汐」は夕方の「しお」の満ち引きを意味しています。その中でも「汐」の漢字を採用したのは夕方の海のイメージ、穏やかな海がオレンジの太陽の色で染められ、クリーム色の水平線が、沈みゆく太陽を物語る- そんな海の優雅さ、上品さを表現するためにこちらの「汐」が使われました。

ふく汐製法

 「ふく汐」は原料からその製造工程にいたるまで大変こだわり抜かれた商品です。まず、ふく汐に使用する昆布は道南白口浜産の天然真昆布です。道南産の真昆布は、だし昆布において優れた高級昆布として有名ですが、それだけでなく、佃煮や塩昆布などの加工品にも適しています。特に、この白口浜で採れる真昆布は、江戸時代に松前藩が朝廷や将軍家に献上していたという、真昆布の中でも最高級の昆布です。
 では作り方を見ていきましょう。まず、昆布を切断します。昆布をふく汐に最適な大きさに切断後、委託内職が選別をし規格外の昆布を除外します。また一般的に塩昆布の多くは「いり炊き」という方法で炊かれていますが、ほんぽでは昔ながらの製法「浮かせ炊き」で昆布を炊いています。「いり炊き」は昆布が吸い込む調味料の量を最も適した状態にし、その最低限の量のみで炊き上げます。逆に「浮かし炊き」では、たくさんの調味料の中に昆布を浮かした状態で炊き上げます。この製法では、調味料の濃度を、炊き上げながら低濃度から高濃度にあげ、昆布にじっくりと味をしみさせます。加熱で水を飛ばし、求める味の濃さへ昆布を導き、じっくりと炊くことで、もちもちとした食感の昆布になります。
 炊き上がった昆布は一枚一枚丁寧に並べられ、乾燥させます。選別後ひっくり返してから再度乾燥し、さらに選別します。その後ふぐ粉をまぶし、一枚一枚、丁寧に手作業で木箱に詰めていきます。

ほんぽの"汐昆布"

商品画像
 ほんぽの汐吹昆布「ふく汐」は、工程のひとつひとつが丁寧に丁寧に作り上げられていった、ほんぽこだわりの高級茶漬けです。その一枚には、製造者の真心がこめられて作られています。このような商品だからこそ、長きに渡り、皆様に愛されているのです。
 これからも愛され続ける商品として素材、工程の全てをこだわり続けてまいります。