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わかめの製法

わかめの歴史

 わかめは縄文時代の遺跡からその植物遺存体が発見されており、古くから日本人に食されていたことがわかっています。万葉集にもわかめについて詠まれた歌が記載されており、また朝廷に納める租庸調の調(地方の特産品)としても徴収されていました。
 この時代のわかめは「素干しわかめ」が主流でした。しかし素干しわかめは、わかめの乾燥ムラを無くすなどの手間隙がかかるため、大量生産することは難しく流通もその土地だけといった限られたものでした。加えて素干しわかめは、塩蔵処理されたものと比べると色合いが悪く、わかめ独特の苦味やえぐみがあったこともあり、手間が掛かるなどの理由も含め、昭和40年代に塩蔵わかめが三陸地方で開発されると、主流は大量生産が可能な塩蔵わかめに変わっていきました。

塩蔵わかめについて

 現在、日本において主に流通しているのは湯通し塩蔵わかめを塩抜き後、カットし乾燥させた「カットわかめ」です。この技術により、それまでの乾燥させただけのわかめとは異なり、水戻しするだけで色鮮やかで美味しいわかめが食べられるようになりました。しかし、これらのわかめは調理方法が簡単でお手軽な反面、味や風味が伝統的な素干しわかめと比較するとどうしても劣ってきます。また、湯通しわかめは一度湯通しすることでわかめの大事な栄養素が流出してしまっています。ですから、ほんぽではわかめの豊富な栄養素をそのまま摂取していただくために一部商品を伝統的な素干し製法で作成しております。
 ほんぽではわかめを大量生産し、消費に向いている生産地のわかめは従来の湯通し塩蔵わかめとして残し、反対に主要生産地ではない少数生産地では伝統的な素干しわかめで展開していきます。これらのわかめには響灘で取れるわかめを使用することにこだわっています。この海域で採れるわかめは大変歴史があり、例えば角島のわかめは万葉集に「角島の 瀬戸門のわかめは 人のむた 荒かりしかと わがむたは にぎめ」と詠まれており、また鐘崎のわかめは古くから天皇家に献上されている高級わかめでもあります。

わかめの栄養素について

 ほんぽがわかめを素干しの製法にこだわっているのは、上述のとおり、湯通し塩蔵製法だと湯通しする際にわかめの有用な栄養素が失われていくからです。わかめには、基礎代謝を活発にし肥満を抑制するヨウ素や骨や歯の素となるカルシウム、塩分の排出を助け高血圧を予防するカリウムなど、私たち欠かせない栄養素が大量に含まれています。
 他にも昆布などの褐藻に多量に含まれているヌルヌル成分で便通を助けるアルギン酸も豊富に含まれています。そんなわかめの栄養素が失われるなんてもったいないです。わかめには、他にも灰干しなどの製法がありますが、ほんぽではより栄養素を残すため、素干し製法を選択したのです。

製法・工夫

 栄養素が他の製法に比べ残りやすい素干し製法のわかめは、その反面湯通し塩蔵わかめなどと比べるとどうしても水で戻した後のわかめの色合いが悪いという欠点があります。ほんぽではその欠点を解決するため、わかめを乾燥させる前に少しだけボイルします。採れてから時間がたったわかめでは無理ですが採れたばかりのわかめだったらそれが可能なのです。
 そのためほんぽでは産地から送られてきた採れたてのわかめをその日のうちにボイル、ブローしてわかめに付着している雑海藻などの異物を除去してから乾燥させています。そうすることで素干しでも色合いのきれいで栄養が豊富に残っている素干しわかめが出来るのです。

ほんぽの"わかめ"

商品画像
 わかめには海の中で育まれた、人間にとって大切な栄養素がたくさん詰まっています。ほんぽではその栄養素が出来るだけ製造中に失われないように素干し製法を選択いたしました。その素干し製法も塩蔵わかめと比べても色合いが劣らないように新鮮なわかめをその日のうちにボイルしています。そうすることで薫り高く、風味豊かでなおかつ、鮮やかな緑色をした栄養豊かな素干しわかめが出来るのです。