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昆布巻の製法

 乾燥昆布巻は作る工程こそ単純ではありますが、その工程は大勢の職人に支えられています。昆布巻1本1本が職人の技術の結晶なのです。ほんぽの昆布巻は1本1本丁寧に手作業で巻かれて作られています。昆布巻を巻く工程は社外の家庭内職に依頼して巻いてもらっています。余談ですが、この委託内職者数、山口県下では弊社が一番多いそうです。

昆布巻

 弊社の昆布巻は釧路産長昆布を使用しています。釧路産の長昆布は、もちもちとした食感で、肉が厚いのが特徴です。このため釧路の長昆布は、昆布の中でも特に昆布巻に最適だとされています。
 昆布巻を作るには、まず昆布を炊きすぎず、炊きムラの無いように注意しながら炊き上げます。炊き上げた昆布は次に板張りの工程へ進みます。炊き上げられた昆布は幅や寸法が基準に達していないものと仕分けながら、1枚1枚丁寧に伸ばし均等に張っていきます。イメージとしてはプロのクリーニング屋さんがかけるようなアイロンに近い感覚です。ここで昆布は、しわの無いように、また破れないよう細心の注意を払いながら張られていきます。仕分けられ規格外にされた昆布は結び昆布や、昆布巻の中芯に利用されます。昆布巻に利用されるのは長さ、幅ともに最良の状態のものだけです。
 板張りが終わった昆布は乾燥機にかけられます。乾燥は工程の中に二度含まれているのですが、その方法にもこだわりがあります。乾燥風には「平行流」と「吹き上げ流」とがあるのですが、この風を段階により使い分けて乾燥させています。板張り後の昆布は「平行流」で、内職に巻かれ昆布巻になった状態のものは「吹き上げ流」によりムラの無いように乾燥させられます。

異物選別工程

製造ライン
 内職によって巻かれ戻って来た昆布巻は再度乾燥し、次に異物焼却工程へ入ります。巻き工程で混入した可能性のある異物はここで焼却処分されます。そして焼却する工程で燃え残った異物を完全に除去するために、さらに人の目により選別されます。弊社の規格に満たなかった不良品(サイズの大小や干瓢が取れかかっているものなど)もここで除去されます。
 ここでは、選別歴15年の熟練の職人が目を光らせて選別していきます。選別工程と商品の袋詰の工程は同時に行われていくのですが、ベテランの人間にもなると「今ので分かるの?」というスピードで選別していきます。しかし、その職人はどんなに小さな異物でも決して見逃しません。ちなみに、異物が混入していた昆布巻や、サイズなどが弊社の基準を満たしていなかった昆布巻は、その昆布巻を巻いた内職のもとへ手紙と共に返されます。長時間ずっと座った状態で、昆布巻に視神経を全集中させるこの仕事は肩や腰、目に負担が来る重労働でもあります。しかし、手紙を出すなど内職と交流をしていくうちに、不良品が少なくなっていくのを見ると、とてもやりがいのある仕事でもあります。
 内職との交流を図るなど、手間隙を惜しまないことが品質の向上につながります。手紙を通して、ますます良い昆布巻を作り上げているのです。

ほんぽの"昆布巻"

 ほんぽの昆布巻は基準を満たした選りすぐりの物しか商品になりません。手間隙を惜しまず1本1本丹念に作り上げています。それは、様々な職人が一丸となって作りあげていっているものなのです。